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取引分断について

取引の分断とは?

貸金業者との取引を続ける中で、最初に借りた分を完済し、期間が空いた後に再び取引を始めた場合、その中断した時期の前後で取引を2つに区切り、それぞれが別個の取引として扱われる事があります。これが「取引の分断」です。

取引の分断がある場合、ない場合で、取り戻せる過払い金の金額が変わります。

通常、「分断」があると、過払い金は激減します。

しかし、裁判などを通じて過払い金を請求する際に、様々な判例・理論を駆使し、複数の取引を「一連の取引」であると主張できるケースが多々あります。

取引分断があると、時効の分の過払い金を請求できなくなることも。

過払金請求の時効は10年です。お早めにご相談頂くことをおすすめします。

当事務所では、依頼者様に代わって貸金業者に取引の履歴をすべて開示請求し、分断の有無と、過払い金の額を計算したうえで、過払い金返還請求を行います。

複数の債権者との取引の経験があり、完済、借入れを繰り返された経験がある方や、完済してから時間が経っている方は、ぜひご相談ください。

(実例)
AさんはB社と次の取引をしました。
 第1取引 平成11年4月に借り入れ開始~平成12年12月に完済
 第2取引 平成14年3月に借り入れ再開~平成22年10月に完済

「分断」の場合 第1取引の過払い金16万7511円、第2取引の過払い金38万5875円
「一連」の場合 過払い金63万191円

B社は裁判において、「分断」を主張してきました。この主張が認められれば、第1取引の過払い金(16万7511円)は時効となり、第2取引分(38万5875円)しか請求できないことになります。

これに対し私は、判例理論や原告陳述書などを駆使し、詳細な反論を行いました。すると、B社は「分断」の主張を諦めました。

結果として、B社がAさんに63万円を支払う、という内容の和解ができました。

「一連」の主張は原告側(請求者側)で用意しなければならない

業者側は必ず「分断」の主張をしてきます。

また、空白期間が1年以上ある場合には、業者側の主張を待たず、「分断」と判断する裁判官も少なくありません。

こうしたケースにおいて「一連」を認めさせるには、原告側に立証責任があります。

言い換えれば、原告において裁判官を納得させる反論を用意出来なければ、自動的に「分断」と判断されてしまいます。

ですから、裁判官を納得させることができる的確な「一連」の主張をする必要があるのです!

取引に分断がない場合

契約時から取引が連続している場合は、一連の取引として扱われます。

取引分断についてのコラム

「取引分断」でも1回で結審

A社のショック以降、裁判所が過払い請求訴訟を早期に決着させる傾向が強まっていることについては何度もブログで言及してきた

その傾向にますます拍車がかかっていることを痛感する裁判を紹介する

原告Bさん、相手方はC社
Bさんは平成15年10月から借入を開始し、平成18年4月に完済
平成18年9月にふたたび借入れ、平成19年10月に完済
平成22年3月2日に三たび借入を開始し、現在約9万3千円の債務が残っている
この3つの取引を一連計算すると、約8万円の過払いとなる

C社側は当然、答弁書において取引の分断を主張してきた
対する当方は、それに対する反論(準備書面)を提出していない状態で迎えた今日の第1回口頭弁論

裁判長から
「被告の主張に対して原告代理人は争う、ということで構いませんか?」
 と問われた
「はい、争います」
 と答えると
「それではこれで結審します。判決言渡しは11月22日午後4時とします」
以前、争点がない事件については1回で結審する傾向にある、と書いたが、本件は分断という争点がある

2回目の弁論期日を覚悟していたが・・・

1回で結審し、準備書面さえも提出する必要がないとなると、わたしたち訴訟代理人の出番はない(苦笑)
本件については、おそらく全面勝訴判決が言渡されるだろう
裁判所の対応はますますスピードアップしてきた

D社 過払い請求事件 取引分断の主張

MさんはH7年2月にD社から借入れして以来、現在まで取引があり残債は55万円という状態でした。
しかし、引き直し計算の結果、過払いであることが判明。こちらの請求額(過払い金)は利息を含め86万円。

実はMさん、H14年7月1日に一旦完済、その後、H15年1月27日に取引を再開していました。
D社ご担当者は予想通り、「取引の分断を主張します。そうしますと過払い金は31万円ほどになります」と電話でお答えになった。以前にも書いたとおり、分断の主張を受け入れ2本の取引として計算すると過払い金は大幅に減少してしまう。

わずか半年ほどの空白期間、まず第一にMさんは完済時に基本契約を解約してもいない。それにカードを返却してもいない。これで「分断」とみなされてはたまらない。「一連の取引」に間違いない。
その旨を私が伝えると、ご担当者は「先生のおっしゃるとおりです、わかりました。一週間ほどお待ちください」とのこと。一週間後、さすがに分断の主張はしてこないであろう、争点はこちらの請求額をD社側がどの程度まで呑むかになるはず。

最近はやみくもに「分断、分断」と主張する業者が増えていますが、そのほとんどが最高裁判例の拡大解釈。こちらが「一連一本の取引」の主張を譲らなければ意外とあっさり引き下がる業者も多いように感じます。